去年からある現象に気付き始めました。ますます多くの老舗ヘッジファンドやファミリーオフィスが「どうやって自社の戦略をオンチェーン化するか」を相談してくるのです。彼らは資金には困っていませんが、従来の手法を維持しつつ、オンチェーンの利点も享受できる入り口を探しています。

最近、Lorenzo Protocolというプロジェクトを深掘りしてみたところ、彼らが手がけているOTF（オンチェーントレーディングファンド）のアーキテクチャは、伝統的な機関投資家のニーズにかなりマッチしていると感じました。

簡単に言えば、従来型のファンド戦略をオンチェーンの金庫としてパッケージ化するというものです——一見普通に聞こえるかもしれませんが、細部まで非常にしっかり作り込まれています。

サブスクリプションとリデンプション（申込・解約）の部分では、従来の四半期ロックアップのルールを完全に打破し、7×24時間いつでも出入り可能です。さらに重要なのは、ファンドのシェアがそのままトークン化されることで、UniswapやPendleなどのプロトコルで取引・レンディング・担保活用ができ、流動性が圧倒的に向上します。

透明性も不可欠です。すべてのポジション・損益・管理手数料がリアルタイムでオンチェーンに記録され、リスク管理や監査部門も月次レポートの催促から解放されます。ガバナンスに参加することで$BANKを通じてより高いパフォーマンス報酬も得られ、ファンドマネージャーにとっては実質的なインセンティブとなります。

データ面では、すでに運用規模5億ドル超のCTAファンド3社、ボラティリティトレーディングチーム2組、さらにアジアのクオンツヘッジファンド1社がLorenzoで金庫を開設しています。総ロック額は1.8億ドルを突破しています。

これらの機関からの共通したフィードバックは、オンチェーンでの資金調達スピードが従来のオフショアファンドより5～10倍速く、投資家の属性もよりグローバルになっているという点です。

コンプライアンスの観点から見ても、Lorenzoの「コード監査＋オンチェーン透明性＋コミュニティガバナンス」という三層構造は、むしろ規制当局にとって理解・受容しやすいものです。なぜなら、オンチェーンでは伝統的金融よりも透過的な監督が格段に容易になるからです。

伝統的なアセットマネジメントがオンチェーンへ移行するのは、もはやトレンドではなく、実際に起こっている事実です。Lorenzoはまさにその転換点に位置しています。