ニュージーランド、2026年からデジタル金融を学校の必修カリキュラムに追加

出典：CoinEdition 原題：ニュージーランド、2026年からデジタル金融を小中学校の必修カリキュラムに追加 元リンク：https://coinedition.com/new-zealand-adds-digital-finance-to-core-school-curriculum-from-2026/

• ニュージーランドは2026年から、1年生～10年生までの金融リテラシー必修化を義務付ける。
• カリキュラムに暗号資産、ブロックチェーン、デジタル決済システムが追加される。
• 教員研修と全国的な教材リソースの整備で一貫した指導を支援。

ニュージーランド政府は、全国カリキュラムの大幅な変更を見据え、2026年から1年生～10年生の全生徒に金融リテラシーを必修とすることを正式に発表した。エリカ・スタンフォード教育大臣は、刷新された社会科カリキュラムに同科目が組み込まれ、2027年までに全校で導入が義務付けられると述べている。

この動きは、若年層の金融知識への接触機会の少なさと、日常経済活動における暗号資産を含むデジタル決済システムの役割拡大への懸念が高まっていることを示している。主要なデジタル資産などの市場指標（市場状況によって変動するもの）も、生徒がリアルタイムのデータとしてプログラムの中で学ぶ事例として挙げられている。

カリキュラムの拡充

改訂カリキュラムは、初等教育の早い段階から始まり、中等教育初期まで発展的に学ぶ流れを導入している。1年生～5年生では、「必要」と「欲求」の区別、収入と支出、銀行口座の仕組みなどの基礎概念を学習。6年生～10年生では、税金、利息、予算管理、保険の仕組み、投資の基礎概念など、より高度なテーマに取り組む。

当局は、この改革がリタイアメント・コミッションの調査結果を踏まえたものであり、現在体系的な金融教育を受けている生徒は全体の約4分の1にとどまると指摘している。ニコラ・ウィリス財務大臣は、金融知識不足が若年成人の債務管理の不適切なケースにつながっていると述べている。

デジタル決済システムとブロックチェーン

新制度の一環として、学校は生徒にデジタル通貨やブロックチェーン基盤のシステムを紹介することが求められる。省によれば、授業では新たな決済ツールの説明や、市場価値が需要・供給の制約・外部要因によってどのように変動するかを教える。教員は、デジタル資産価格の変動などを例に挙げ、市場のボラティリティや価値の概念を説明できる。

実践的な活動としては、ブロックチェーンの原理を体験できる内容も含まれる。例えば、共通台帳に取引を記録して透明性や改ざん不可性を体験したり、生徒が交代でマイナー、ノード、ユーザーの役割を担い、分散型ネットワークで情報が検証される仕組みを学ぶ。上級生はデジタルウォレットの仕組み（支出管理、貯蓄目標、アクティビティ追跡など）も学ぶ。

省の導入計画には教員研修や、1年生～13年生向け金融教育リソースの詳細な整備も含まれる。主要大学の金融・テクノロジー関連プログラムや、地元のブロックチェーン教育団体の教材なども教員支援の参考資料として検討されている。