イーサリアムFusakaハードフォークが成功裏にアップグレード：PeerDAS技術がスケーラビリティのブレークスルーを牽引

イーサリアム、「フサカ」アップグレード完了…ガス代↓ 検証速度↑ ゲームチェンジャーとなるか

イーサリアムは今年2回目となる主要コードアップグレード「Fusaka」ハードフォークを無事完了しました。今回のアップグレードは、ブロックチェーンの中核的なスケーラビリティ問題を解決する技術的な施策であり、Layer 2ネットワークの大容量トランザクション決済処理速度の向上と、全体的なバリデータノードの運用負担の軽減に重点を置いています。

複数の業界メディアの報道によると、Fusakaアップグレードはすでに正常にトリガーされ、約15分以内に最終承認され、ネットワークは更新後のコードを安定して受け入れました。主要なイーサリアムコア開発者たちは、ライブストリーミングチャンネル上でこのアップグレードの成功を共に見届けました。

今回のアップグレードの核心は「PeerDAS」技術の導入です。PeerDASは、バリデータがすべてのデータを一度に大量検証するのではなく、データの断片だけを検証できるようにするシステムで、より少ない計算リソースで検証作業を完了できます。そのため、Layer 2ネットワークが提出する大規模なデータ「Blob」の処理効率が向上し、ネットワークの混雑が緩和され、ガス代も低下すると予想されます。

現在、ほとんどのLayer 2はBlob形式でイーサリアムメインネットにトランザクションデータを提出しており、バリデータはすべてのデータをダウンロードして監査する必要があります。この過程でネットワークへの負担が大きくなりますが、PeerDASの導入により、バリデータはBlobの一部だけを検証すればよくなり、処理速度が上がりコストも下がります。

今回のアップグレードは、小規模なバリデータや初心者ノードオペレーターに特に有利だと見られています。リソースが限られた個人や中小規模のオペレーターにとって、参入障壁が下がるでしょう。一方、複数ノードを運用する大規模ステーキングプールのような団体にとっては、相対的な効果は限定的かもしれません。

イーサリアム財団のコア開発者は、ネットワークがスループット増加を安全に処理できるかどうかを検証するため、段階的にBlobの数を増やす計画であると述べています。これは、今後数か月で段階的な変化があることを示しています。

今回のFusakaアップグレードは、実行レイヤーとコンセンサスレイヤーで同時に実施されたダブルハードフォークで、「Fulu」と「Osaka」の名称を組み合わせたものです。実行レイヤーはトランザクションとスマートコントラクトの実行を担い、コンセンサスレイヤーはこれらの操作の検証と確定を担当します。

あるコア開発者は、PeerDASの重要性を踏まえ、複雑度の高い機能は範囲外とし、アップグレード遅延の原因となりうる案件も果断に除外したと述べています。今回のアップグレードは、イーサリアムがメインネットの処理速度向上に強い意欲を示したものです。

PeerDAS以外にも、今回のアップグレードには合計13件のEIP（イーサリアム改善提案）が含まれています。ネットワークメッセージ構造の簡素化、過剰計算やトランザクションサイズ制限の防止、ガス代調整やBlob処理の安定性強化、スマートコントラクトの計算効率化などが盛り込まれ、開発者環境やネットワーク効率も改善されています。

伝統的な金融機関も今回のアップグレードに注目しています。あるデジタル資産会社は最近のレポートで、Fusakaを「イーサリアムの戦略的ロードマップに適合した決定的な進展」と評価し、メインネットの改善努力が市場の信頼を高めるとの分析を示しています。

一方、イーサリアムの開発チームは次回の主要アップグレード「Glamsterdam」についても議論を進めていますが、具体的な適用時期や内容はまだ決まっていません。