上院、トランプ氏のCFTCおよびFDIC指名者を承認へ──規制の変化が暗号資産監督を再定義する可能性

出典: CoinEdition
原題: 上院、トランプ氏のCFTC・FDIC指名者を承認へ急ぐ；「CLARITY法案」で暗号資産監督体制を再定義
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主な進展

• 上院はCFTCのトップにマイク・セリグ氏を迅速に承認しようとしている。
• トラビス・ヒル氏もFDIC委員長としての承認が間近。
• トランプ氏の個人暗号資産帝国は大きな損失に直面。

上院、金融規制の大改革を加速

米国上院は火曜日、連邦金融規制機構の大幅な改革を加速し、約80人の行政指名者を承認する決議について討議打ち切り動議（クロージャー）を発動した。この動きはジョン・スーン院内総務によって指揮されており、マイク・セリグ氏とトラビス・ヒル氏が、それぞれ商品先物取引委員会（(CFTC)）および連邦預金保険公社（(FDIC)）の正式な指導者となる道が開かれる。

CFTCは、議会で保留中の市場構造計画により、その権限が正式に拡大されれば、暗号資産に対する権限を主張できる可能性がある。

ジョン・スーン上院院内総務は火曜日にクロージャー手続きを開始し、60人の議員による投票が行われる予定。スーン氏の決議には、80の連邦ポストの指名が含まれており、投票の締め切りは木曜日に予定されている。

承認されれば、セリグ氏は現職の暫定委員長の後任となり、本来は5人の投票権を持つ委員会を単独で運営することになる。なぜなら現政権は追加委員候補者をまだ指名していないためだ。

ヒル氏下のFDIC、注目集まる転換

セリグ氏と並び、トラビス・ヒル氏も連邦預金保険公社（FDIC）のトップ就任が間近に迫っている。FDICは、銀行による暗号資産分野との関わりや今後のステーブルコイン制度設計において重要な役割を担う機関だ。

ヒル氏は既に暫定的に同機関を率いており、銀行が暗号資産口座や提携を扱う前に監督当局の承認を得ることを求めていた前政権の方針を撤回した。

最近の証言では、銀行は単にリスク管理を行えばよく、暗号資産企業との協力に明確な制限はないと述べている。

市場混乱、トランプ氏の暗号資産推進に影

これらの規制当局人事は、ドナルド・トランプ大統領自身の暗号資産事業が大きな赤字に陥る中で行われている。ビットコインは秋以降大幅に下落し、世界全体で約1兆ドルが消失した。

トランプ一家は過去1年間で複数の暗号資産事業を立ち上げてきたが、トークンの下落や関連株の急落により大きな損失に直面。メディア企業の評価は大幅に下落し、TRUMPミームトークンは過去最低水準近くで取引され、90%安、別のガバナンストークンWLFIも上場以来急落している。

しかしトランプ一家は、こうした下落を撤退ではなく「絶好の参入機会」と捉えている。

連邦準備制度理事会に親暗号経済学者

一方、米連邦準備制度理事会（FRB）の議長候補としては、親暗号資産派の経済学者が有力視されている。トランプ氏の長年の経済顧問であるケビン・ハセット氏が、FRB議長の候補として名前が挙がっている。トランプ氏は次のように述べた。

「FRB議長候補もここに来ていると思う… どうだろう、『候補』と言ってもいいのかな？彼は尊敬されている人物だ、それは言える。ありがとう、ケビン。」

政権の残り期間に向けた暗号資産人事が出揃う中、トランプ氏の暗号資産事業および野望はまだ終わっていないようだ。