トランプ氏がFRB議長を動かそうとする件について、多くの人はこれをワシントンの内輪もめの日常だと思っている。しかし実際には、これは持ち主にとってのシグナルかもしれない——政治の風向きが変われば、規制の刃もそれに合わせて向きを変える。

暗号資産界はこの十数年、権力の影響から完全に逃れたことはなかった。大きな政策の変化ごとに、大資金のリシャッフルの機会となってきた。歴史のパターンはすでに明らかだ。

**規制の動きはどれほど激しいのか？データを見れば一目瞭然。**

2017年のあの波では、七つの省庁が合同で通達を出し、ICOは違法な資金調達と定義され、取引所はすべて運営停止に追い込まれた。BTCは半時間で14%下落し、各種アルトコインは一気に半減、12のプラットフォームはその日に閉鎖された。「暗号資産界は規制を受けない」と信じていた人々の多くは、その後爆損して終わった。反応の早い者は、恐怖に乗じてステーブルコインを積み増し、半年後には資産が3倍になった。

2022年のカナダのケースはさらに厳しかった。「自由車隊」事件が起きると、政府は直ちに《緊急事態法》を適用し、暗号寄付の口座を凍結、普通の寄付者のウォレットまで凍結された。この事件をきっかけに、匿名性で注目されていたモナロ（Monero）は20%急騰し、非中央集権型のウォレットのダウンロード数は3倍に増えた。その時に初めて理解したのは、いわゆる「オンチェーンの匿名性」は政策の棒の前では実に脆いということだ。

**もしFRB議長が交代したらどうなるのか？**

連邦準備制度の議長は、金融システムの総閘門を握っている。新議長が就任すれば、規制の優先順位やレッドラインの位置も再設定される可能性が高い。もし新議長と政府の高官たちが歩調を合わせれば、「コンプライアンスによる収穫」はより激しくなるだろう。その時には、KYC認証を完了していないコインや、分散度の低いウォレットアカウントは、凍結の対象となる可能性が高い。

政治闘争は遠いところの話のように見えるかもしれないが、実は私たちの財布にあるデジタル資産の運命を左右しているのだ。