店外USDTの価格はずっと下落し続けており、今回はもはや小幅な変動の範囲を超えています。

現在、店外市場ではUSDT対人民元の取引価格は約6.82まで下落しており、一方で外為市場のドル現金はまだ7.01付近に留まっています。つまり、安定した通貨（ステーブルコイン）を使って人民元に換える方が、直接ドルを両替するよりも安くなっており、割引率はすでに約3%に達しています。月初の水準と比較すると、この差は明らかに拡大しています。

この現象自体がおかしいです。通常、ステーブルコインの価格乖離は短期的な流動性やチャネルコストによるもので、長期的に拡大し続けることはありません。しかし、今の状況では割引率が急速に回復せず、むしろ段階的に拡大していることから、単なる感情的な動きではなく、実質的な構造的売り圧力が蓄積されていることを示しています。

店外市場の継続的な弱含みは何を意味するのでしょうか？それは、誰かが絶え間なくステーブルコインを法定通貨に換えている一方で、買い手が明らかに不足していることを示しています。このような行動は、短期の投機筋からはあまり見られず、むしろリスクの空売りや積極的なポジション縮小、あるいは損切りを余儀なくされている兆候です。

最も興味深いのは、ドル自体は外為市場で同時に弱くなっていないことです。言い換えれば、この下落は「ドルの価値が下がった」のではなく、市場がステーブルコインを積極的に売り叩いていることを意味します。ステーブルコインのプレミアム喪失や深刻な割引は、暗号資産市場内部の資金態度の変化を反映しており、マクロのドルサイクルとは直接関係ありません。

歴史的に見て、ステーブルコインが持続的な割引を示すたびに、二つの可能性が示唆されます。一つは、リスク資産の売却が続き、資金流出がまだ終わっていないこと。もう一つは、市場がより深刻な流動性逼迫に備えていることです。

今のところ、どちらになるかは判断しにくいですが、一つ確かなことは——これは無視できない小さなシグナルだということです。ステーブルコインがすべて割引価格で売られ始めると、市場のリスク許容度が静かに低下していることを示しています。