ネット上で人が最も愚かな行為は、何か悪いことが起きたときに全てを「資本」のせいにすることだ。「資本」そのものは中立的な言葉であって、特定の誰かや組織、悪魔でもなく、ただリターンを追求するお金の集まりであり、ルールに従って計算する機械に過ぎない。かつての高額な住宅価格は、資本があなたを狙ったのではなく、土地財政、土地供給の独占、過剰なマネーサプライが不動産を最適解にしたからだ。仕事の996（過酷な長時間労働）は、資本が生まれつき血に飢えているからではなく、労働法が形骸化し、社会保障の不足分を低賃金で埋め、輸出還付金が企業にコスト競争を強いたからだ。出生率が低いのも資本が産ませないのではなく、教育・医療・住宅という三つの大きな障害が子育てをマイナスの収益にしてしまったからだ。何もせずにいるのは、すべての上昇の道が閉ざされ、一本の細い橋しか残されず、そこに無数の料金所が設けられているからだ。資本は最も従順な犬であり、ルールがリードを引けば、どこへでも尻尾を振って飛びつく。あなたが「資本」という中立的な言葉を諸悪の根源として罵ることは、本当のルール制定者に隠れ蓑を与えるに過ぎない。罵れば罵るほど、そのリードを握る手は闇の中でますますほくそ笑む。無駄な力を使わず、感情のゴミ箱になるのはやめて、ルールを書いているその手を見張れ。それこそが本当の相手だ。